💵Economics

Economicsは、独自通貨DM2Pを主体とした、安定した経済システムの発展と、多様なApplicationsを受け入れるための汎用的で持続可能なエコノミクスの提供を担っています。

トークン基本思想

私たちは、トークンエコノミクスの設計を考える上で、ブロックチェーン技術を用いて実現可能な「トークン」を以下の3分類に分けて整理することとしました。

  • コモディティトークン類

  • セキュリティトークン類

  • ペイメントトークン類

コモディティトークン類は、トークン自体に使用価値があるものの総称として定義しています。特定のサービスを受けるために用いられるユーティリティトークンや、ゲームアイテム・デジタルアートを表現するNFTなども、トークン設計上こちらに分類しています。

セキュリティトークン類とは、ブロックチェーン技術を用いて、権利の移転・記録が行われる「デジタル化された債権」を指します。この類型には、有価証券と同等の法規制が適用される法律上のセキュリティトークンに加え、現物償還型NFTやトークンなども含まれます。

ペイメントトークン類とは、いわゆる商品の交換するための「支払」に使用されるトークンです。トークン自体に使用価値があるわけではなく、交換の媒介として用いられる点が、コモディティトークン類との違いです。法定通貨とペッグしたステーブルコインに限らず、幅広い「決済手段」として用いられるトークン類を示します。

DM2Pトークンの性質

DM2PはSMPで発行する独自の暗号資産です。この暗号資産の究極的な発行目的は、ドルや円、ユーロや元などの法定通貨に依存しない独自の経済圏を構築することです。したがって、究極的には、法定通貨の代替として、広くペイメントトークンとして交換の媒介として使用されることを目指します。

しかし、発行したばかりで信用の低い暗号資産を、初期からペイメントトークンとして利用していくことは困難です。そこで、DM2P発行の初期段階では、コモディティ的な使用価値を重視したユーティリティを設計し、トークンの信用力や流動性を高めていきます。その後、段階を経てペイメントトークンとしての機能を持たせ、流通させていくことを想定しています。

DM2PはSMP上で使えるのみならず、特定の取引所で売買することができます。ただし、セキュリティトークンや、投票機能を持ったガバナンストークンではありません。

DM2Pをガバナンストークンにしない理由として、トークンを用いたガバナンスに関してはオーソドックスな手法が確立されていない点、サービスリリース初期においてはDM2C Studioを中心とする運営主体がサービス提供・維持のために責任を負う点、ユーティリティトークンとしてのDM2Pに対してガバナンス用途を付加することによる複雑性を避けたい点などが挙げられます。

ガバナンスの透明性や民主化といった観点では、別途、DM2Pホルダーに対して、個別の投票に用いることができるNFTを付与するといった代替手法を検討しています。

DM2P経済圏の拡大構想

DM2Pをペイメントトークンとして機能させるためには、多くの人がそれを欲している状態を創り出さなくてはなりません。そのため私たちが、過去の歴史を参照してモデルケースにしたのが「金」と「ドル」です。

第一フェーズ

1-3年目

ボラティリティが高く、価格が乱高下しつつ価値が上昇していくフェーズ

第二フェーズ

3-10年目

ボラティリティが緩やかになり、価格の上昇率も抑えられていくフェーズ

第三フェーズ

10年目以降

価格が安定し、ペイメントトークンとして幅広く機能できるようになるフェーズ

歴史的に「金」は、その有限性と加工のしやすさなどから世界共通の貨幣として選ばれ、各国の金貨に加工されたり、装飾品・贈呈品に使われたりと、ユーティリティを増やしていきました。

その後、第2次世界大戦で悪化した経済を立て直すため、金とペッグしたドルと、各国の通貨との交換比率を一定に保つ固定相場制が導入されました。

DM2Pはこれらの歴史を参考にし、初期3年程度の期間はDM2Pをコモディティトークンとして広く流通させ、その価値を高めていきます。

その後、段階的にペイメントトークンとしてのユースケースを拡大させる施策を展開し、通貨としての安定性を高めていきます。

その後の戦略は、金とのペッグが外れた変動相場制時代のドルの歴史を参考にしつつも、その時々の暗号資産を含む世界経済のあり方を参考にしながら決定していきます。

DM2Pの価値向上の時間軸について、私たちは10年以上の時間をかけてこの経済圏を拡大していくことを想定しています。その理由は、先述している通りweb3業界においてサステナブルな事業の事例が少ないことから、他のプロジェクトと比較して相対的に長い時間軸を目標に定めることが有用であると考えているためです。また、DMMグループの既存事業における実績値も勘案することで弾き出した目標期間が、短期的には3年、中期的にその後7年、そして長期的には10年以上の時間をかけての成長を目指すというスパンです。

なお参考として、ビットコインの時価総額の時系列グラフについて対数スケールを取り、上記のモデルと比較すると、類似したトレンドラインを描くことが可能と確認できます。

加えて、過去の歴史から導出した「全ての性質を満たす完璧な単一通貨は存在しない」という仮説のもと、「国際金融のトリレンマ」をカバーした経済圏の構築を目指しています。

国際金融のトリレンマをカバーする経済圏の構築

国際金融のトリレンマとは、通貨の発行体である国が、通貨政策の3つの目標である為替レートの安定・独立した通貨政策・自由な資本移動のうち、同時に2つしか達成できないという国際金融の原則のことです。

これをわかりやすく「価値の安定」「自由な発行」「自由な交換」という言葉に置き換えて、経済圏構築を考えると以下の3つは同時に達成できない、ということになります。

  1. 価値の安定:自国通貨の価値や、他の通貨との交換レートを安定させること

  2. 自由な発行:通貨供給量を制御し、インフレ・デフレを適切に管理すること

  3. 自由な交換:他の通貨との交換が自由にでき、資本が容易に移動できること

この原則は国際金融だけでなく、暗号資産の通貨政策においても成り立つと考えられます。

またこの原則に従うと、外貨(日本円や米ドルなど)と、サービス内通貨(企業ポイントや課金石など)の2つだけでは「安定はするものの拡大は難しく」、サービス内通貨と暗号資産の2つだけでは、「拡大しやすいものの安定が難しい」ということになります。

そこでSMPでは、「DM2P(暗号資産)」・「サービス内通貨」・「法定通貨を含むDMP2以外の通貨(外貨)」の3つ通貨を経済圏に流通させることによって、トリレンマの3要素をカバーし、経済圏の発展と安定を同時に実現したいと考えています。

SMPでは、このように複数種類の通貨を活用することで、これまでの法定通貨とポイント経済圏の組み合わせだけでは実現できなかった、「なんでも増やせる・いつでも稼げる・だれでも楽しめる」というビジョンを実現する経済圏を構築します。

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